タンタン剥製に税金730万円?冷凍返還ではダメだったのか

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2024年3月に亡くなった神戸市立王子動物園のジャイアントパンダ「タンタン」。

彼女の遺体が剥製と骨格標本として中国に返還されるというニュースが波紋を呼んでいます。

返還にかかる費用は、なんと730万円。この金額はすべて神戸市、つまり市民の税金で負担されるという点に、多くの市民やネットユーザーが疑問を呈しています。

記事のポイント
  • 剥製費730万円に市民の批判が集中
  • 冷凍返還の前例がある中での剥製選択に疑問
  • 園長は共同研究の活用を理由に説明
  • 契約内容の不透明さが議論を呼んでいる
目次

剥製選択の背景と神戸市の対応

神戸市は2024年3月に死んだジャイアントパンダ「タンタン」の剥製と骨格標本を制作し、中国に返還する準備を進めています。

費用は約730万円で、標本制作費、保管・輸送費などが含まれ、市の予算から支出される予定です。

園長の見解:共同研究のための資源

王子動物園の竹本真也園長は、読売新聞の取材に対して以下のようにコメントしています。

「タンタンは神戸市民を励まし、勇気を与えてくれた。返還後も、得られた知見を生かし、中国側との共同研究を続けていきたい」

この発言からは、単に返還するだけでなく、「生前の姿を残す形で標本化し、学術的・象徴的資源として活用する」ことが目的であることが読み取れます。

一方で、返還の形式に関する契約内容や中国側との協議の詳細は明らかにされておらず、市民の疑問を招く要因となっています。

過去との比較:なぜ今回は剥製なのか?

同じ王子動物園で飼育されていた雄のパンダ「コウコウ」(2010年死去)は、冷凍保存された状態で返還されました。

タンタンと同じく中国所有の個体であったにもかかわらず、返還形式が異なることから、今回の剥製返還には疑問の声が集まっています

想定される理由
  • 中国側が標本としての活用を希望した可能性
  • 生前の姿を保存し、研究・展示に役立てる目的
  • 神戸市側との協議による合意の結果

ただし、これらはあくまで推測であり、契約書にどこまで形式が明記されていたかは公開されていません

市民の反応:冷凍でよかったのでは?

ニュースサイトのコメント欄やSNSには、次のような意見が多数寄せられています。

  • 「剥製に730万円…冷凍でよくない?」
  • 「命をモノ扱いしている感じがして切ない」
  • 「費用は中国側が出すべきでは?」
  • 「こうなる前に契約で明記すべきだったのでは?」

税金の使い道に対する不満と、動物への倫理的配慮を求める声が交錯しています。

所有権と処理形式:過去事例との比較

以下の表は、過去に日本で飼育されたパンダの死後対応と所有権の関係をまとめたものです。

スクロールできます
名前飼育地死亡年所有権処理形式備考
カンカン上野動物園1980年日本側剥製多摩動物公園に展示
ランラン上野動物園1979年日本側剥製国立科学博物館に収蔵
トントン上野動物園2000年日本側剥製多摩動物公園に移設(非公開)
コウコウ王子動物園2010年中国側冷凍保存後返還タンタンの元ペア。冷凍返却
メイメイアドベンチャーワールド2008年中国側非公開(推定:返還)処理内容は非公表
タンタン王子動物園2024年中国側剥製+骨格標本730万円の費用で返還準備中

この表からも、中国所有パンダの返還形式は一律ではなく、ケースバイケースで対応されていることが分かります。

パンダ外交と契約の透明性

ジャイアントパンダは中国の国家的象徴であり、貸与契約には厳しい条件が設けられています。

タンタンも「貸与個体」として来日し、所有権は死後も中国にあるというのが契約上の前提です。

しかし、返還の方法や費用負担の在り方については明確にされておらず、契約の不透明さが市民の不満を招く要因となっています。

コウコウのような冷凍返還の前例があるにもかかわらず、今回のケースで剥製という高コストな選択がなされた背景には、さらなる情報開示が求められます。

まとめ

タンタンは、神戸市民をはじめとする多くの人々に癒しと希望を与えてきた存在でした。

その死後の扱いが議論を呼ぶのは、単に費用の問題だけでなく、命の尊厳と契約の在り方に対する社会的な価値観の変化を映しているからに他なりません。

今後、日本がパンダを受け入れる際には、以下の点がより重要になるでしょう。

  • 契約内容の透明性
  • 返還形式の明示と合意形成の過程
  • 税金による支出の説明責任

「可愛い」だけでは済まされない時代において、動物との向き合い方が再定義されつつある今、タンタンの事例はその象徴的な転換点となるかもしれません。

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