2025年、日本の農業界や消費者の間で「古古古米(こここまい)」が話題になっています。
安価で手に入る一方で「味は大丈夫?」という不安の声も。実は、過去にもこの古古古米が注目を集めたことがありました。
それが1993年から94年にかけての「平成の米騒動」です。
では、当時と今では何が同じで、何が違うのでしょうか?
記事のポイント
- 「古古古米」が話題になったのは1993年から94年の「平成の米騒動」の頃。
- 当時は異常気象による大凶作で供給不足、今は供給過剰が背景。
- 過去は「米を手に入れるため」、今は「価格の安さと味への不安」が注目点。
- 米の役割や消費者意識が当時と今で異なる。
目次
当時と今の古古古米の違いについて

平成の米騒動で放出された米は、現在と同じ「古古古米」とは少し異なります。
当時は主に1~2年程度保存された古米・古古米が中心で、古古古米は一部に限られていました。
供給不足が背景で、価格高騰を受けて政府が放出したものです。
一方、現在の古古古米(2021年産)は、供給過剰による価格調整のための放出で、背景や目的が異なります。
このように、平成の米騒動と現在では、古古古米の役割や流通背景に違いがあります。
平成の米騒動(1993-1994年)
- 背景:異常気象による冷夏・日照不足で大凶作が発生し、日本国内の米の供給が追いつかなくなりました。
- 状況:スーパーや米屋には長蛇の列、米が高値で取引されるなど社会現象に発展。
- 対応:政府は備蓄米(古米・古古米・古古古米)を市場に放出し、さらにタイ米を緊急輸入しました。
- 消費者心理:味や品質より「とにかく米を手に入れたい」思いが強かった。
2025年の現状
- 背景:安定した作況で供給過剰となり、米価下落を防ぐため備蓄米を随意契約で販売中。
- 状況:備蓄米の中には2021年産の古古古米も含まれ、価格は5キロ1800円程度と安価。ミスターマックスでは1000円台での販売を検討。
- 消費者心理:「安いのは魅力だけど、味が不安」「古古古米ってどんな味?」という声が目立つ。
- 専門家の意見:新潟大学の三ツ井敏明特任教授は「古米臭の成分は増えるが、適切な保存と炊飯でそれなりにおいしい」と分析。
当時と今の違い
比較項目 | 平成の米騒動(1993-94) | 現在(2025) |
---|---|---|
背景 | 異常気象による供給不足 | 供給過剰、米余り |
古古古米の意味 | 備蓄米放出による不足解消策 | 価格下落対策、供給調整 |
消費者心理 | 味より確保優先 | 安さと味のバランス重視 |
流通価格 | 高騰、タイ米も導入 | 安価(5キロ1800円程度) |
保存・流通技術 | 古米の管理に課題あり | 精米技術や低温保存で品質安定 |
まとめ
過去の「平成の米騒動」と現在では、古古古米が注目される理由や背景が大きく異なります。
当時は「米不足」、今は「価格調整と供給過剰」。
しかし、どちらも米という生活必需品に対する不安や関心が高まった点は共通しています。
味に対する不安が拭えない今だからこそ、正しい保存や炊飯方法でおいしく楽しむ工夫が求められます。
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