2025年8月8日公開予定のホラー映画『近畿地方のある場所について』が、早くも話題を集めています。なかでも注目を集めているのが、映画の舞台となる“封印された町”のロケ地・モデルがどこなのか、という点。
ポスターには「私の友人が行方不明になりました」という不穏な一文が書かれ、予告編でも何者かの気配や得体の知れない存在が登場。
本記事では、予告映像やポスター、制作関係者のコメントなどをもとに、舞台モデルの可能性を5つのヒントから探ってみます。
- 原作は背筋氏によるモキュメンタリー形式のホラー小説。近畿各地の怪談や噂がベース
- 「まっしろさん」「赤い女」「神社の神」など怪異の描写が映画にも関わる可能性
- タイトルやポスター、予告映像から、奈良・和歌山・兵庫など複数の山間部が候補
- SNSでは「熊野がモデルでは?」という説も浮上し、ファンの考察熱が高まっている
原作小説の背景:背筋氏のモキュメンタリーホラー

映画の原作は、背筋氏によるモキュメンタリー形式のホラー小説。
2023年にカクヨムで連載され、KADOKAWAより書籍化されました。
本作は近畿地方の実在しそうな“怪異”や“都市伝説”を、雑誌記事や掲示板、体験談形式でつなぎあわせて描く構成。
読者は断片的な情報から全体像を想像する構成になっており、「考察したくなる作品」としてネット上でも大きな反響を呼びました。
- モキュメンタリー形式で、フィクションながらリアリティが高い
- 主な怪異には「まっしろさん(猿神?)」「赤い女」「神社の神(大きな口の男)」などが登場
- 舞台モデルは生駒山を中心とした近畿の複数の心霊スポットをミックスしたものと推察されている
また、Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトでは「熊野ではないか」という意見も見られました。
確証こそないものの、和歌山・三重・奈良にまたがる深い山々と神話・信仰の背景を持つ熊野は、確かに本作の“封印された場所”のイメージとも重なります。
ヒント①:タイトルに「近畿地方」とある意味
通常、映画タイトルに“地方”を使うのはかなり珍しい表現です。
あえて「大阪」や「奈良」「京都」と特定せず、“近畿地方のある場所”という曖昧な名称にしていることで、現実の場所を連想させつつ、直接的な描写を避けている意図が感じられます。
→ モデルとなった町が実在するが、配慮して名前を伏せている可能性も。
ヒント②:ポスター背景に描かれた建物と風景
ポスターに描かれている女性の背景には、伝統的な日本建築や山あいの集落のような線画が使われており、都市部ではない“閉ざされた町”の印象を強く与えます。
→ 奈良県吉野、兵庫の生野町、和歌山の山村など、過去にもロケ地に使われた山間エリアと一致する可能性あり。
ヒント③:椎名林檎さんのコメントと作品テーマ
椎名林檎さんは主題歌『白日のもと』について「真に迫る描写を目指すほどに苦しかった」と述べています。
このコメントから、映画は単なるホラーではなく“社会的な闇”や“現代の問題”を内包していると考えられます。
→ たとえば廃村や消滅集落など、現実の“封印された場所”が背景にあるのでは?
ヒント④:実際の撮影地は近畿地方の郊外?
エンドロールの撮影協力やSNS投稿などから、兵庫県・奈良県・滋賀県などの郊外で撮影が行われたという未確認情報も浮上中です。
特に、近年映画やドラマの撮影地として使われている「旧校舎」「空き家」「閉鎖された旅館」などのロケーションが一致するとの指摘も。
ヒント⑤:X(旧Twitter)上で拡がる「この町かも」考察
SNSではファンによる“聖地考察”も加熱中。「看板が〇〇市っぽい」「電柱の表示が見えた」など、映像をコマ送りで確認するファンも。
→ 今後、映画公開とともにロケ地特定班が動き出す可能性大。
過去の事例:舞台が話題を呼んだホラー作品
作品名 | 公開年 | 特徴・話題になった点 |
---|---|---|
呪怨 | 2002年 | 実在の住宅街が舞台と噂され、ファン考察が過熱 |
残穢【ざんえ】 | 2016年 | 全国の怪異が一か所に集約される構成。考察型ホラーとして注目 |
仄暗い水の底から | 2002年 | 団地のロケ地モデルを巡ってファンの間で議論が白熱 |
呪怨:呪いの家(Netflix) | 2020年 | 実話風に構成されたことで、場所の特定合戦が起きた |
こうした事例からもわかるように、実在の場所かどうかを曖昧にした演出はホラージャンルにおける“想像の余地”を最大限に引き出す有効な手法です。
なぜロケ地は公表されない?
映画『近畿地方のある場所について』では、具体的なロケ地や撮影場所が公式に公表されていません。
これにはいくつかの理由が考えられます。
- 実在の地域に配慮:原作は“怪異”や“失踪事件”といったセンシティブなテーマを扱っており、実際の地名を明かすことで地元に風評被害が及ぶことを避けている可能性があります。
- モキュメンタリーとしての演出:物語の特性上、「実在しそうで実在しない」あいまいさが怖さの一部になっているため、明言しないことで読者や観客の想像力を刺激する演出効果を狙っているとも考えられます。
- ファンの考察文化の喚起:作品の人気を高めるため、SNS上で「ここでは?」「この看板がヒントかも」といった自主的な考察が生まれるよう、あえて情報を伏せている戦略も見られます。
これらの要素が組み合わさることで、作品のミステリアスな世界観が一層強化されているのです。
まとめ
本作は、特定の町の名を出さないことで「どこかにありそうな現実の怖さ」を演出しています。
その意味でも、ロケ地が実際にある場所である可能性は高いでしょう。
今後、完成披露試写会やパンフレットなどから詳細が明らかになる可能性もあります。
公開後は“聖地巡礼”ブームが起きるかもしれません。その日を楽しみに待ちましょう。
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