「本当はキラキラした役もやってみたいんです」──2025年6月、若尾文子映画祭でのトークイベントにて、女優・前田敦子さんが語った本音。
この発言に、多くのファンが共感の声を寄せ、「ぜひキラキラヒロインを演じてほしい」との期待が高まっています。
そこで本記事では、これまでの前田さんの出演作の中から“癖が弱めな爽やか系ヒロイン”を振り返りつつ、今後のキャリア展開についても考察していきます。
- 若尾文子映画祭で「キラキラした役をやってみたい」と本音を告白
- 過去には“爽やかヒロイン”の役もいくつか経験、自然体の演技が光る
- 自身で語った「今後挑戦したい役」には夫婦役やミュージカルも
- 視聴者が求める“キラキラ系”の条件と、前田敦子さんの強みが合致
1. 『あしたの私のつくり方』(2007年)

前田敦子さんが女優として注目され始めた初期作のひとつ。
本作では主演・成海璃子さんの同級生役として、等身大の中学生像を自然体で演じており、飾らない清純さが印象的でした。
“キラキラ”というよりは、静かな輝きを持った役柄で、前田さんの素の魅力が垣間見えた作品といえるでしょう。
この作品について前田さんは、後年のインタビューで次のように語っています。
「感情の準備をしないことを常に意識しました。頭で考えすぎず、突然湧き上がってくる感情を大事に演じようと」
また、出演オファーを受けるかどうかを約1ヶ月悩んだといい、
「監督が変わらず待ってくれたことが心に響いた」
とも述懐しています。
さらに、現場では厳しい指導を受けつつも、
「当時は15歳。監督にすごく怒られたけど、すごくいい経験になった」
と語っており、女優としての原点に位置づけていることが分かります。
2. 『もらとりあむタマ子』(2013年)

一見すると“だらしない”日常を送る主人公・タマ子。
しかしその内面には不器用ながらも優しさや夢を抱える繊細な一面があり、前田さんの自然体の演技が高く評価されました。
この役を演じるにあたって前田さんは、「どこかで皆が持っているような感情や、誰しも感じる“だらしなさ”を正直に出すことを意識した」と語っています。
また、「実家で暮らしているような気持ちになった」とインタビューで明かしており、現場でも演技というより“素の自分に近い感覚”で挑んだことがうかがえます。
さらに、監督の山下敦弘氏との信頼関係も大きく、「一見ゆるいようで核心を突く演出が、自然体でいられる環境を作ってくれた」と述懐しています。
どこか“キラキラ”とは真逆に見えるかもしれませんが、「癖の強さ」と「人間味」のバランスが絶妙で、ある意味では“リアルなヒロイン”像の走りとも言えます。
3. 『イニシエーション・ラブ』(2015年)

松田翔太さんと共演した恋愛サスペンス。
80年代のファッションに身を包み、前半ではまさに“理想の彼女”のようなヒロインを好演。
後半のどんでん返し的展開が話題になりましたが、前田さんの“表と裏の演じ分け”が鍵を握っていたとも言えます。
“癖がある”が褒め言葉に変わった現在
これまで前田さんは『苦役列車』『素敵なダイナマイトスキャンダル』『毒島ゆり子のせきらら日記』など、個性的でインパクトのある役に数多く挑戦してきました。
その結果、“癖の強い役”という評価が定着したとも言えます。
しかし近年、その評価はポジティブな意味に変わりつつあります。
「演技の幅が広い」「爪痕を残す女優」として、唯一無二のポジションを築きました。
前田敦子さんが語った「今後やってみたい役」一覧

これまでのインタビューや発言から、前田敦子さんが将来的に挑戦したいと語っていた役柄を表にまとめました。
ジャンル・役柄 | 発言内容 | 出典・背景 |
---|---|---|
普通の夫婦役 | 「普通の夫婦や家族の役をやってみたい」 | Hulu『死神さん』インタビュー(2021年) |
ミュージカル系 | 「歌や音楽がある舞台作品にも挑戦してみたい」 | 舞台『夜の女たち』出演時(2022年) |
幅広いジャンル | 「限界を作らずに色んな役を経験したい」 | 独立後のインタビュー(2023年) |
どんな役でも | 「求められる女優になりたい。どんな役にも挑戦したい」 | 初期の女優志望時代のコメント |
今後こそ“キラキラ系”への本格挑戦を?
では、視聴者は“キラキラ系ヒロイン”に何を求めているのでしょうか?最近のトレンドや分析から見えてくる要素を以下にまとめます。
要素 | 内容 |
---|---|
親しみやすさ+好感度 | 「嫌われない」ことに加え、自然体で共感される空気感 |
意外性や個性 | 清純で可愛いだけでなく“裏に何かある”深みや多面性 |
作品ジャンル別の適応 | 恋愛・青春・朝ドラなど、それぞれに求められる“芯の強さ”や“安心感” |
柔軟な変化への対応力 | ヒロイン像に固執せず、役を通じて成長・変化する姿勢 |
このように、視聴者が求める“キラキラ系”は単なる見た目や明るさだけではなく、キャラクターとしての深みや変化を内包した存在です。
前田敦子さんがこれまで培ってきた演技経験──特に多面性・ギャップ・芯のある演技──は、まさに現代視聴者が望む“キラキラ役”の理想像に近づいていると言えるでしょう。
「ロングヘアでヒロイン像を目指したい」と語った今、次に訪れるのは“王道だけど一味違う”新たな前田敦子像かもしれません。
まとめ:個性派からキラキラへ、期待の転換期
「癖が強い」と言われ続けた役者人生。
しかし、そんな前田敦子さんだからこそ、王道ヒロインを演じたときのインパクトは計り知れません。
過去の“爽やか”寄りの役柄を改めて振り返ると、そのポテンシャルは十分。次に前田さんが演じる“キラキラ役”が、どんな化学反応を見せてくれるのか──ファンならずとも、注目して損はありません。
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